《MUMEI》

「は〜.....」



「ふっかいため息付いてんな。」



「いや、やっぱ明日…不安で。」



「…」



峰田が発した言葉に、
全員が真面目な表情を浮かべる。



「しょうがないんじゃないかなぁそういうの。」



線香花火を持った美紀が呟く。



「いっつも不安なこと考えてたら突っ込んじゃうけど、


こんな時に不安じゃない人なんていないと思うよ。


皆は一応『挑戦者』な立場なわけだし。」



「それも…そうすね。」



「だぁ〜不安だぁ〜ッ!!
でも絶対勝ちてぇ〜ッ!!」



「はははッ!!」



   ひゅ〜っ………
  ドォンッ………!!!!



「綺麗…」



ポリポリ…



「そういやお前ら今はハンドやってっけど、進路とかちゃんと考えてんの?」



飲み物を片手に恭介が尋ねる。



「やめて〜耳が痛い〜。」



「沖は卒業が危うそうだね。」



「俺の成績知らないのに言っちゃった!?」



「俺は…就職しようかと。」



「ん?」



答えたのは峰田だった。



「大学でハンドやんね〜の?」



「俺あったま悪いんで。」



「もったいね〜な。」



「でも、ハンドは辞めないっすよ。」



「あん?」



「卒業したら、海南クラブに入ります。」



「おぉッ!!」



「クロさんたちが抜けた穴は、俺が埋めますよ。」



「…そっか。」



クロは笑う。



「お前じゃ役不足だけど、まぁいないよりはマシかもな。」



「どゆことすかヤマトさん…」



「はははッ!!」



ヤマトも笑う。



「きょ〜りょくなライバルがいること忘れんなよ。」



恭介はニヤリとそう呟く。



「ライバル?」



「もう1人。右45でウチを志望してる新人がいんだろ。」



「………あ゙。」



「ま、頑張れ。」



「あちゃあぁ………」

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