《MUMEI》

「他は皆進学?」



「予定ではそうっす。」



「おめ〜らの頭で行けんのかよ。」



「ぬ゙ッ…失礼っすねヤマトさん。」



「事実じゃん。」



「あ〜クロさんまでッ!!」



「打ち上げ終了しました〜。」



「おっ…あと手持ちが若干残ってるくらいか。」



「さて…じゃあそろそろ…」



「そうだクロ。」



「ん?」



「ボール貸して。」



「…何で?」



「まぁまぁ。損はさせねぇから。」



「ふ〜ん…佑香ちゃん。」



「はいッ!!」



佑香はボールバッグからボールを取り出し、


ヤマトに渡す。



「村木。」



「?」



「そこ立て。」



「?」



村木はヤマトに指示されるがまま、


学校壁際に立つ。



「なに?」



「さぁ?」



全員がヤマトと村木のやり取りに注目する。



「その外灯の下ならこの暗さでもボールの軌道見れんだろ。」



「?」



「構えろ。」



「…」



村木は構える。



「サービスで投げてやっからな。」



「…」



「こいつは明日までの…」



ビシュッ…!!



ヤマトはシュートを投げる。



(んッ…!!)



ククッ…!!



ガンッ…!!



「宿題だ。」



トンッ…コロコロ…



ヤマトのシュートは壁に当たる。


村木が反応するもボールはそれを交わした。



「これって…」



「落とした?」



「ま…な。」



落ちるシュート。
それをヤマトは投げて見せた。



「明日の相手が7メートルん時に投げてんのはそれだ。」



(これが…落ちる球か…)



「しっかりイメージしてこいよ。」



「……うす。」

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