《MUMEI》 「さて…と、」 「そろそろ行きますか。」 「うん。帰って明日に備えよう。」 花火が終わり、 各々が荷物を持ち始める。 「クロ。ちゃんと締めといた方い〜ぞ。」 「恭介に言われなくてもわかってるって。」 選手たちは荷物を持つとクロの周りへと集まる。 「いよいよ明日だね。」 「………はい。」 「細かいことは明日また話すけど、 明日は2・3年だけで戦うことになると思う。 だからって1年も準備は怠れないよ。 ウチは選手層薄いし、 ケガ人なんか出しちゃったら1年に頑張ってもらうことにもなりかねないから。」 「はいッ!!」 (ま…そんな展開になったらまず勝ち筋はないんだけどね。) 赤高は2・3年が8名。 控えは1人の計算。 実質的に聖龍と渡り合えるだけの実力を持っているのはこの8人だけ。 今日の秀皇戦に関しても、 本来ならば1年の久保がやれたのは奇策のおかげであり、 正面から立ち向かった場合には久保が出る幕はなかった。 しかし、 明日は些細な時間でさえも実力的に劣る1年陣を使える余裕はない。 選手たちのスタミナと、 クロの手腕が問われることは言うまでもなかった。 「2・3年はしっかり休んで体調整えておくこと。」 「はいッ!!」 「さ、じゃあ後は明日…だな。」 「…」 「円陣、組んで帰ろうか。」 「はいッ!!」 「あたしたちも混ざろッ!!」 「えッ!?いいんですかッ!?」 「当然。」 「わ〜ッ!!あたしやってみたいと思ってました!!」 「全員でやるよ〜ッ!!」 クロと選手たちに、 ヤマト・恭介・安本・マネージャー陣・美紀・理紗を加えた第円陣が組まれる。 「まだちょっと早いけど!!」 ユキヒロが声を出す。 「ぜってぇ勝つぞッ!!」 「おぅッ!!!!!!!!!」 前へ |次へ |
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