《MUMEI》

………………………………



「たぁいまぁ…」



「亮ッ!!早くおいでッ!!」



「なに?俺疲れてんだけど…」



………………………………



   聖龍高校右45
    井川 亮宅



………………………………



「ホラ見て見てッ!!
今日の試合のことテレビでやってるよッ!!」



「んなの去年もやってたじゃん。」



「だぁって去年はあんたベンチにも入ってなかったじゃないッ!!」



「そりゃそ〜だけど…」



「あっ!!コレ桜井くんじゃないッ!?」



「ん…あぁそうだね。
つか母さん早くメシ。」



「ちょっと待って!!」



「今日来てたんだろ〜!!
試合なら全部見たんだからいいじゃん!!」



「テレビで見るのとはまた違うでしょッ…てあっ…終わっちゃった。」



「…メシ。」



「もぉッ!!つまんないリアクションばっかりして!!」



「知らね〜よ。」



ドサッ…!!



井川は荷物を床に投げ捨てソファーに横になる。



(今日の試合はもういいんだよ…


相手が赤高だからって俺たちが勝つと思って皆浮かれ過ぎ。


まだ試合終わってね〜から…


つか、


相手は赤高だけど、


少なくとも俺たちが倒した頃の赤高じゃあね〜だろ。


あの頃の赤高のレベル考えりゃとても秀皇に勝てるようなレベルではなかった。


今日の試合でわかった。


あいつらは強い。


この地区のサイドとしてかなり名の通ってた要たちに走り勝ったサイド…


それが明日の俺の相手…


やべぇ…ゾクゾクする…


緊張…もあんだろうけどこれは…


武者震いってやつか…?)

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