《MUMEI》

ピッ…



「もしもし?」



『あ、お疲れっす。』



「おぅ。どうした?」



『あれから一応病院行って見てもらいました。』



(ケガ…そういやそうだったな。)



「それで?」



『そんなにまずいケガではなかったっす。明日の調子次第では試合に出てもいいそうです。』



(………助かるぜ。)



「そうか。」



『ただ…』



「ん…?」



『明日の試合に出ることで悪化する可能性は十分にあるから…そこはきちんと監督に話すよう言われました。』



(…そりゃそうだわな。


ぶっちゃけ出てもらわね〜と困るってのが本音だが、


こいつの未来を俺のエゴで潰すわけにはいかねぇ。)



「…そうか。わかった。


今日は明日に備えてゆっくり休め。


まず明日の為に万全整えてくのがお前の仕事だ。」



『…うっす。』



「じゃあ明日…遅れんなよ。」



『はい。お疲れした。』



ピッ…ツーッ…ツーッ…



(全ては明日…か。)

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