《MUMEI》

「ふ〜っ……」



「何で緊張してんだお前は。」



「いや監督に電話とか…やっぱ…ね…」















………………………………



   聖龍高校ポスト
   阿久津 栄二 宅



………………………………














「足は?」



「ん、大分痛みは引いたよ。」



「そか。」



「つ〜かさ兄貴?」



「ん?」



「クロさんたち…マジでここまで来たね。」



「あぁ、まさかマ〜ジでここまでやるとは思わんかったわ。」



「いいの?」



「何が?」



「わりぃけど俺ら…負けね〜よ?」



「…偉くでかく出たな。」



「そうでもないでしょ。
大半の人たちがそう思ってるよ。」



「…ま、前評判だけ見りゃな。」



「なに?兄貴は俺たちが負けると思ってんの?」



「まさか。十中八九お前らの勝ちだろ。」



「だよなぁ。」



「ただま、」



「ん?」



「お前らが勝てば俺は素直にお前の優勝喜ぶし、


クロたちが勝てばそれはそれで嬉しいし、


ぶっちゃけた話…


どっちが勝っても別にい〜かなッ♪」



「…兄貴は気楽でい〜よ。」



ズキッ…!!



「いっ…!!」



(気ぃ緩めっとまだ痛みが来るな…


頼むから明日までには治ってくれろよ…


これまで以上に大事な試合なんだ…)

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