《MUMEI》
出会い
俺の名は石橋隼人、高校3年。
学校でも普通に生活を送り、特に目立つことなく3年間過ごしてきた。


ー あの日までは。


あれは、俺が中学時代からの親友である和樹と一緒に帰宅していた時だった。
学校が東京の中心部にあったため、俺らは毎日寄り道ばっかりしていた。ゲーセンや古本屋など学校付近をウロウロしていた。その日も、和樹と一緒にネカフェにいた。
7時を過ぎて和樹とは最寄駅で別れた。
俺は駅から自宅までの8分間をのたのた歩いていた。2つ目の信号を右に曲がろうとしたその時。あいつが現れた。


「おい、そこの君!…ちょっとアンタ!止まりなさいよ!」

知らない女の声、俺は振り返った。

「俺?何の用ですか?」

「アンタしかいないじゃない! もぅ。反応鈍いわね。それでもパレルなの?」

女は俺に訳の分からない事を言ってきた。ー パレルってなんだ?

「あのー、失礼ですが人間違いですね。」

俺は、眠かったのでさっさと家に帰ろうとした。

「ちょ、ちょっと!待ちなさいよ。アンタ!」

「何ですか?」俺は苛ついた態度で女に問いた。


「言い遅れたわ。アタシの名前は瀬河ありさ。世界秘密特殊任務部隊第一支部パレルから、あなた石橋隼人を迎えにきた。詳しい説明はあと。 さっ、行くわよ!さっさとしなさい。」

瀬河ありさと名乗る女は難しい言葉を色々と発言したあと、俺の制服の袖をガスっと掴み上げ、彼女の仲間らしき人が乗る車へと俺を拐った。

これがあいつとの最初の出会いだった。




女は追っかけてきた



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