《MUMEI》
花舞い
私が学会で留守にした間に事件は起きた。
虫の知らせという訳でもないが学会の帰りに報告を兼ねて病室に立ち寄ると彼はベッドの中で事切れていた。床には薬のアンプルと注射器が落ちていた。
優秀な外科医だった、彼は自分が侵されていた病気を知って手遅れな事も知って自ら命をたったのだ。
私はアンプルと注射器を拾い上げポケットに入れナースコールを押した。
「どうなさいましたか?」
夜勤の看護師の声。
「佳行です。若林先生が心肺停止です。」
看護師は救急カートを持ってきた。
心電図を付けて挿菅を行い心マを開始する。ラインからボスミンの注入。
心電図は心マの波形だけを写しだしていた。
自分の最愛の人の診断書、死亡診断書を書く運命kなった。

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