《MUMEI》

「……とうじ…離れるのは…いやだ」

(か……可愛い)

 ダメだダメだι…そんな事を考えてしまっては…。

 だけど…蜜色の柔らかい髪の毛が頬をくすぐってきて、背中に廻された腕がギュッと僕を抱きしめてきた。

「…ぁ」

 克哉君の吐息が僕の首の方に上がってくると、そのまま僕の弱点でもある耳に息が掛かってくる。

「ひぁっ!ダメだ、克哉君…や…めろ…」

 前に克哉君が僕のメガネを外そうと耳の辺りに手を伸ばしてきて、その時に変な声が出てしまった事があった。

 その時と同じ様な僕の声を聞いて克哉君は微笑むと、そのまま僕の耳たぶ辺りを吸ったり首の辺りを甘噛みしてきた。

「んッ……ふ…ぁ…」

 子供のくせに…。

 いや、子供だからだろうか…妙に舌使いが上手くてゾクゾクと背中に快感が走る。

「やだ…止め」
「止めない」

 癖っ毛な僕の髪の毛に克哉君の長い指が入ってきて、僕の頭を優しく撫でてくる。

「ん…」

 そんな事なんて…された事も無いから、何て言うのか嬉しくなるような快感が押し寄せてきて、抵抗していた腕に力が入らなくなる。

「はぁ……ん…」

 背の高い克哉君に身体を支えられ、無理矢理頭を彼の方に向けされられると、感情をぶつけてくるようなキスをしてきた。

「んッ……はぁ……んんっ」

 唇を重ね合っていると彼の手が僕のシャツの中に入ってきて、僕の身体を優しく撫でまわしてきた。

「ん……ふ…」

 だんだんと足に力が入らなくなってきて、急にガクッと膝が落ちたと思ったら逞しい克哉君の腕に支えられて床に仰向けに寝かされて、そのまま克哉君が上に覆い被さってくる。

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