《MUMEI》
告白
「前嶋君!アタシと付き合って下さいッ!」
ペコリと頭を下げたまま手を前嶋に差し出す女の子。
もう耳まで真っ赤で手は可哀相な位震えている。
前嶋が告られるのは初めてじゃない。
今までこんな場面に何度も遭遇してきた。
でも前嶋はいつも断ってきた。
そう、それには理由があったから…。
『部活に集中したいから今は誰とも付き合えないんだ』
―――でも。
部活動は昨日で終わったんだ…。
そして前嶋は部活推薦で高校内定も決まっている訳で…
断る理由はもう何もない筈。
俺は…
「俺先に行くな?」
精一杯強がって。
上手く上手に笑って。
俺はこの場から立ち去ろうとした、
その時…
「ごめん、俺好きな奴いるんだ」
女の子は泣きながらいなくなった。
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