《MUMEI》 はじまり8年前。 20歳の時のことだ。 専門学校卒業後、私は美容師として地元の美容室で働き始めた。 「今回だけだからね!」 携帯料金45000円ー。 支払えなかった私に 母が救いの手を差し延べる。 美容師は忙しい上に時間がなく、彼氏との電話がかなりの支えになっていた。 わかってはいても電話はやめられなかった。 それから私は何度も同じコトを繰り返した。 そして、ついに堪忍袋の緒が切れた。 「甘やかしすぎたわ!借金でもなんでもして、今度こそ、自分で何とかしなさい」 借金ー。もちろん母も本気で言ったわけではないと思う。 でも私にはそれしか思い浮かばなかった。 当時つくった銀行のキャッシュカードにはクレジット機能もついていた。 母に頼むのは大変だったが、クレジットカードはとても簡単だと思ったのを今でも覚えているー。 前へ |次へ |
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