《MUMEI》 夢見る★14 ――いやぁ〜! 海面が見上げるくらい上の方にあるわ……あたし死んじゃう……苦しい! 息ができない! 助けて……助け……て…… 何メートルも上の方に明るい海面があって、泳げないあたしは、空気の抜けた浮き輪にしがみつきながら、暗い暗い海底へと沈みゆくしかなかったわ。 ――でね、あたしは、息ができないまま海底まで沈んじゃって、生まれて初めて走馬灯っていうのを見ちゃったの…… 「あぁ……あたしの走馬灯は無駄な走馬灯だったわ。あたしを救える走馬灯じゃなかったもん」 ★ 前へ |次へ |
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