《MUMEI》

可愛らしい講師にドヤ顔で、未知の言語を教わっていた。でも可愛いので許せてしまう。

講義内容は、彼女が喋るよりも書く方を優先していたため、自然と筆談になっている。分からなければ辞書を使い、意味を知る。よって国語のようなものだろう。

やりとりをしていると、ドアの向こうから足音が聞こえてきた。

止まったかと思うと、ノックの音がし、扉が開いた。

そして男は絶句する。

とてもではないが、言葉で形容しがたい容姿の女性が現れたのだ。思わず見とれてしまう。

だが女性は対照的に、彼を見た途端に汚いものを見るような目になり、怒りが浮かんでいた。

少女のもとに駆け寄り、守るように抱き寄せる。

大きな声で言われた。罵詈雑言の嵐なのだろうか。全く理解できない。

仕方無く、今教わった言葉を使う事にした。

紙に書き、見せる。さらに頭も下げる。

少女がひそひそと女性にしゃべりかけているのだが、フォローしてくれているのだろうと信じたい。

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