《MUMEI》 終わりの夜もう夜だわ。 意外と早いわね。 嬉しい。 そう、今日は純さんを殺す日―。 夜にね・・・。 その夜よ、今は。 「ご飯出来たぞー。」純さんの声だ。 「わーい、僕お腹空いてたんだ〜。」と翔君が嬉しそうに言う。 「私、運びますね。」と私は言った。 「有難うございます。」と純さんは微笑みながら私におかずを渡した。 私はだから、今おかずを運んでいる。 今の私はご飯どころではない。 純さんを殺す計画を頑張って確実にしている。 「「「頂きます。」」」と皆で言った。 「わぁ、今日僕の好きなハンバーグだ〜!!」翔君が言った。 目が輝いている。 「翔が喜ぶかと思って。」純さんが嬉しそうに言った。 「パパ、有難う。」翔君はニッコリして言った。 これで、皆で食べるのは最後よ・・・。 「「「ご馳走さまでした。」」」また皆で言った。 「パパ、僕疲れた。もう寝るね。」と翔君が言った。 「そうか、お休み。」純さんは翔君を見送りに行く、と言って二階に上がって言った。 今がチャンス!!! 今私は台所に行って、ナイフを持った。 タンタン・・・ 純さんが降りてくる音だ!! もう少しで貴方の人生は終わりよ・・・。 「あら、純さん・・・。」私は言った。 「な、何持ってるんですか・・・。はっ放した方が良いですよ?」純さんは、もうパニックだ。 笑える。 「放すわけ無いじゃない、何故私が貴方の家に居候してたか知ってんの・・・?」もう私も壊れてきた。 「え?知らないですよ。たまたまじゃないんですか?」純さんは後ずさりしながら言った。 「違うわ、貴方を殺すためよ?」フフ・・・と笑いながら私は言った。 「何で?」純さんは固まっている。 「貴方、私の名前聞いた時驚いてたでしょ?私は貴方に殺されたの!!」私の目からは涙がこぼれていた。 「やっぱり、そうだったのか・・・。」純さんはまだ固まっている。 「貴方はもう、終わりよ・・・。」そう言って、私は純さんに近づいた。 「やっやめて・・・くれ。」これが純さんの最後の言葉。 私はそれと同時に、ナイフを純さんの心臓に突き刺していた。 血がブチャっと飛んだ。 そして、私の顔に付いた。体にも。 「パッ・・・。」と言う声が聞こえた。 後ろを振り向くと、翔君が泣きながら立っていた。 「翔君、今の見たのね・・・。もう貴方はここに居てはいけない人間になってしまったのね、可哀想に。」 そう言って私は、翔君の左胸にナイフを突き刺した・・・。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |