《MUMEI》

「しかし今さらだけど、
マジであいつらと決勝でやるとは思わなかったな。」



「あ〜、それは俺も思った。」



「秀皇が出て来るもんだとてっきり…」



「監督も調べてねえって焦ってたな。」



「今頃焦って今日の試合でも見てんだろ。」



「…あり得るな。」



「まぁ今日の試合見た限りじゃまんざらマグレってわけでもなさそうだけどな。」



「そりゃそうだろ。


個々の能力では秀皇の方が上。


かといって秀皇にミスらしいミスはなかった。


あれは向こうの作戦勝ちだ。」



「俺たちに対しても何かしらの奇策を用意してんのかな?」



「だろうな。」



「おもしれぇ…」



「…何がだ?」



「実際ここまで作戦を練ってくるチームなんてそうはいないじゃん。


俺は案外好きだよ。


頭使ってくるチーム。」



「あぁ、そういう意味ね。」



「んっは〜ッ!!」



ドタッ…!!



桜井はベンチに横になる。



「…雨の匂いがしねぇ。」



「はぁ?」



「明日は暑くなりそうってこと。」



「…あぁ。」



ドタッ…



「そうだな。」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫