《MUMEI》

『まぁ負けはしたけど追い詰めたのは事実だしな。』



「おいおいおい。
つ〜かちょっと待て。」



『ん?何?』



(何…じゃねぇだろ…)



「お前…悔しくね〜の?


結果負けてんだぞ?


もう俺たちに次はね〜んだぞ?


ついさっき負けたばっかでさぁ…


そりゃ評価されたかもしんね〜けど…


今お前たちは良く頑張った何て顔も知らねえような奴らに言われたくね〜よ。」



『あ〜...そういうこと?』



「何だよお前…


つか…怒ってね〜のかよ俺のこと。


何でそんな普通なんだよお前…」



『はぁ?何で俺が千葉のこと怒んなきゃなんね〜の?』



「だって…」



(だって今日…負けたのは俺のせいじゃん…)



『何言ってんのかわかんね〜けどさぁ?


俺は別に何も怒ってね〜し、


かと言って今日の負け悔しくないわけでもね〜よ。』



「だったら……だったら何でお前はそんな普通でいられんだよ…」



『…また泣いてんの?
千葉そんなキャラだっけ?』



「…るせぇ。」



『はぁ……あのさぁ千葉?』



「あんだよ…?」



『俺途中参加だったけどさぁ、


だからこそ練習は人一倍やった自信はあるわけ。


俺でさえそう感じてんだから千葉たちはもっと何倍もやって来たんだろうなってわかんだよ。』



「…だから何だよ?」



『誰に見せるでもなくさぁ、


1人で何汗かきまくってんだろって思ったし、


こんな努力してる俺を誰も褒めてくれるわけでもないし、


正直辞めてやろ〜かと思ったこともあったよ。』



「…」



『けどさぁ?


投げなかったじゃん俺ら。


今日の結果はさぁ、


投げなかったからこそのもんだと思うんだわ。』



「…」



『それでさぁ…お前が言ったように顔も知らねえ奴らが今日の試合見て凄かったって言ってくれてんの。


それって凄くね?


何かさぁ…今まで誰も見てくれなかった俺たちの努力とか、


そういうの認められた気ぃしてすげぇ嬉しいの。』



「…」



『…お〜い聞いてっか?』



「…聞いてるよ。」



『あっそ。まぁだからさ、


負けたのはすげぇ悔しかったけど、


今日見てくれてた奴らに感動与えれたってことはさ、


それはさ、
ちゃんと結果残せたってことじゃね〜の?』



「………ばーか。」



『あんだよ人がせっかく…』



「うぜぇこと言ってんじゃね〜よ。」



『つ〜ん。』



(ホントうぜぇしバカ。)



「未來?」



『あん?』



「…サンキュな。」

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