《MUMEI》

「では、入部テストの説明をしますね。まず、このテストは実力の確認だと思って欲しい。この警察部は実力が必要不可欠なのでね。部活動については後でプリントを渡すから安心して欲しい。では始めようか、ルールは簡単。この部屋から昼休みが終わる前に出てくれ、何をしても構わない。以上」
水谷はそう言うと携帯を取り出し、誰かと会話を始めた。
 入部テストだが部屋から出るだけ、と言いたいが、恐らく……
「おい、ドアが開かねえぞ!」
案の定、鍵を掛けていないはずのドアが開かないようだ。
「窓も開かないわ」
 まぁ、この状況で窓が開いてたら笑ってやる所だが、当然この部屋は密室化している訳だ。
恐らくは情報固定系の魔法だろう。見た限り、高レベルな魔法であることは確かだ。
そして、上級生の誰かがこの魔法を使っていることも。
「おい、たーくんも手伝えよ」
 たーくんと言うのは俺の中学時代からのあだ名だ。未だにこの名前で呼ぶのは聖夜と未来くらいだ。他に中学が同じだった奴がいない訳だが。

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