《MUMEI》

とにかく、姉がシスコンらしいことは分かった。何かと少女にくっつきたがり、彼を蔑んだ瞳で睨むあたり、間違ってはないだろう。

今のところはさしたる問題ではないので、小さな先生に講義を再開してもらう。

講義が始まった途端に姉が怒り気味に何か言い出した。その上、半狂乱の状態で男に近づいていく。ごめん、マジで意味が分からん。

ため息を吐いた妹は姉の元に駆け寄り、耳打ちする。

急に動きが止まり、彼女は妹を抱きしめるようとした。

手を払われて拒絶される。ショックなのだろうか、泣きながら懇願していた。何を言われたんだろう。

少女はそれを無視し、男との筆談を再開した。

自己紹介から話題を得た二人は他愛もない文章を、書いては見せ合う。

時折ジョークも混ぜたり、素で間違えたりと面白可笑しく進めていた。

一方の姉は、離れた所で三角座りしながらいじけていた。

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