《MUMEI》

「そう…、ご苦労だったわね。」


所長室に重い空気が流れる。


「犠牲者が出た以上は、箝口令をしく事もないわ。……明日、全員に告知を……」

「明日じゃおせぇよ!今この時も誰かが教われてるかもしれねんだぞ!」

「仕方無いのよ、任務で出ているメンバーもいるのよ。」

「んな事いってる場合じゃ…」

「じゃあお前は我が身可愛さに彼等に任務放り出せってゆうの?」


千影にくってかかる瀧をミツが制した。


「俺は…、そうゆうんじゃ……」


痛い所をつかれ、瀧は押し黙る。
そんな瀧を一瞥した後ミツは千影にいった。


「俺と瀧で彼等の仕事を手伝って終わらせながら回収するのはあり?」


ミツの言葉に瀧ははっ、と顔を上げた。
千影は少し考えて、


「そうね…、あなた達にはハードワークになるけど、お願いするわ。」


「「了解!」」


見事なハモリで返すと、慌ただしく二人は出ていった。
そんな背中を見つめ、千影も少し微笑んだ。

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