《MUMEI》 「その呼び方はそろそろ止めたらどうだい?聖夜」 「何で止めなきゃならないんだ。それより一緒にドアを開けるの手伝えよ」 まだまだこの呼び名は終わりそうにない。それより今はドアらしい。 どうやら全員で魔法解除の魔法を使っているらしいが無理だろう。簡単に開いたらつまらないしな。 とりあえず、太一も窓に向かって、初歩級の炎魔法を放つ。 短い詠唱の後、小さな火の玉が現れ、窓にゆっくり向かう。 しかし、窓のほんの少し手前で見えない別の何かに当たり消滅する。 「後、10分か……」 太一は時計を一瞬見て動き始める。昼休み終了まで後10分。ゆっくりとドアの前に移動する。 周りが必死に解除魔法を詠唱する中、一人違う魔法を詠唱する。目の前に手を出す。 すると手を出した場所から真剣が現れた。これは錬金魔法とは似ているが違う。 あれは媒体を必要とするが、これは何もない所から産み出せる。 これは普通の魔法とは少し違う特別な魔法だ。 なので周りは驚いてこちらを見ているが、今は説明している暇はない。 前へ |次へ |
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