《MUMEI》
兄貴
私と兄貴は血がつながっていない。
兄貴は私の通っていた道場の1人息子で、私がひとりぼっちになった日からずっと一緒にいてくれた。
とても優しい。ただ手のつけようのないバカだ。
これは私がひとりっぼちになった日のこと・・・
「うっ ひっく・・・うぅ。」
私は、ずっと泣きじゃくっていた。 
『ピンポーン』
チャイムがなったので涙をぐっとこらえてドアをあけた。そこにいたのは兄貴だった。                     
こいつは私がひとりっぼっちにならないように一緒に暮らしてくれるらしい。
「本当か?!」
「ああ。感謝しろよ。」
「うん・・・」
すると、いきなり兄貴のテンションがあがった。
「うんじゃなくてお礼は、お・れ・い。 さあさあ続けて言ってみよう!ありがとう、ハジメ様、チョーカッコイイ!はい、リピート」
『バシッ ドカッ ガキッ』
「相変わらず手のつけようのないバカだ!」
「いったー!なにするんだ」 
「本当のことだ。でも、とりあえずありがとう」

まぁ・・・こんなかんじで同居している。

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