《MUMEI》

トイレ、風呂、居間などに案内してもらい、大体の間取りを覚えた。逃げる道、隠れれる場所も把握出来た。

ある程度回って、部屋に戻された。やはり簡単には信用出来るものでもないようだ。

長く動かなかったせいか、節々が痛む。それ以前に怪我も治っていないため、満足に体が動かせない。

(休もう。いろいろと疲れた)

ベッドに転がり、ふかふかを堪能する。丁度寝返りをうった時にドアが開いた。

姉だ。バスタオル一枚という超絶色っぽい姿でそこにいた。

男なら誰だって見てしまうだろう。胸のあたりを。仕方ない、いくら小さくても浪漫が詰まっている事には変わりない。

見とれていると、顔を真っ赤にした姉が近付いてきた。あ、いい匂いがする。

ただただ見ていると、顔面に拳がめり込んだ。怪我人にも容赦のない右ストレート。

突然の衝撃と溜まっていた疲労のお陰で、難なく夢の世界へと飛び込めた。

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