《MUMEI》 まだ小さすぎた。 小さすぎて、何も分からなかった。 私の頭からは多分、血が流れていた。 もう、フラフラだった。 そして、近くにあった木刀を振り上げる。 …もう終わりだ。 そう思い目を思い切り閉じた。 ーーーガンッ 鈍い音が響く。 木刀が落ちる音もした。 だけど痛みはなくて。 目を開けると、お母さんが倒れていたの。 「…お母…お母…さん?」 お父さんは、何も言わずにその場を去った。 私の見間違いかな? お父さんの瞳から、涙が流れていたんだよ。 気を失って、目が覚めると病院で。 「…ごめんね…言いづらいんだけど…」 その場にお父さんの姿はなかった。 看護師さんは涙を流しながら、まだ小さい私に、お母さんは逝ってしまった、と、伝えてきた。 前へ |次へ |
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