《MUMEI》 1「ねぇ、キスして良い?」 「―はい?」 その日、オレはアイツと勉強会をしていた。 学校でも指折りの頭の良さを持つコイツの部屋で、二人っきりで勉強をしていた。 …はず、だった。 なのにいきなりの言葉に、頭の中が真っ白になってしまう。 ああ…せっかく覚えた数式が消えていってしまう…。 「じゃなくてっ! 何いきなり言い出してんだよ?」 「だって、キスしたいもん」 「…高校3年生の男が、もんとか言うな。気色悪い」 「あっ、ヒドイ」 黙っていればインテリ系の美青年に見えるコイツが、同性であり、また目立たないオレとキスしたがる理由が分からない。 「発情しているなら、女の子を相手にしろ。その方が良いだろう?」 「良くないよ。俺、お前とキスしたいし」 …勉強のし過ぎで、頭のネジが飛んだのだろうか? 「お前はイヤ? 俺とキスするの?」 「いっイヤとかの問題じゃなくてなぁ。お前なら可愛い子や美人とすぐにキスとかできるだろう?」 次へ |
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