《MUMEI》 3「そりゃオレだってお前のこと、好きだけど…」 「それって、友達としての好き?」 「へっ…?」 「それとも特別としての好き?」 間近で見るアイツの眼は、真剣そのものだった。 いつもは柔らかな笑みしか浮かべないのに…。 「俺は特別としての好き、だよ。周囲の人間は俺の頭の良さとか見てくれだけで、接してくる。だけどお前は違った。特別だって、思ったんだ」 「だっだって逆にそんなこと考えながら接するの、面倒だろう?」 「…うん。そういう考えをするお前だからこそ、俺は好きになったんだと思う」 スゴク嬉しそうな顔をして、今度はぎゅっと抱き締めてくる。 コイツ…オレが逃げられないように、優しく縛ってきやがって…。 「だからお前にも、特別に好きになってほしいよ。でもキスがイヤじゃないんだったら、望みアリかな?」 「お前…確信犯だろう?」 「どうだろう?」 頭の良いコイツのことだ。 絶対、分かっていての行動だろう。 前へ |次へ |
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