《MUMEI》

「そりゃオレだってお前のこと、好きだけど…」

「それって、友達としての好き?」

「へっ…?」

「それとも特別としての好き?」

間近で見るアイツの眼は、真剣そのものだった。

いつもは柔らかな笑みしか浮かべないのに…。

「俺は特別としての好き、だよ。周囲の人間は俺の頭の良さとか見てくれだけで、接してくる。だけどお前は違った。特別だって、思ったんだ」

「だっだって逆にそんなこと考えながら接するの、面倒だろう?」

「…うん。そういう考えをするお前だからこそ、俺は好きになったんだと思う」

スゴク嬉しそうな顔をして、今度はぎゅっと抱き締めてくる。

コイツ…オレが逃げられないように、優しく縛ってきやがって…。

「だからお前にも、特別に好きになってほしいよ。でもキスがイヤじゃないんだったら、望みアリかな?」

「お前…確信犯だろう?」

「どうだろう?」

頭の良いコイツのことだ。

絶対、分かっていての行動だろう。

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