《MUMEI》

(春休みにやった時はどんなチームだっけ…?


いや、全然覚えてね〜や…


確かコーチが練習試合なのにタイムアウト取るのにビックリしたんだ。


つか印象それだけかよ…


まぁ大差で勝ったしな…)



ごろっ…



寝返りをうつ広瀬。



(つか何時だ今?
うわ時間見んのこえぇからやめとこ。)



表情は本当に寝ているかのように穏やかだが、


心は対象的に落ち着かない。



(今日の試合を見る限り怖いのはキーパーかな。


評判いいだけあって良く止めてた。


俺のシュートでどこまで通用するか…


ま、最悪通用しなかったら健ちゃんが打ちやすいように攻めてくこと考えて…っておい。


また考え事しちゃってるよ俺。


もう明日のことは十分考えたじゃん。


もう終わり。はい終了。


只今を持って思考停止します。)



これまでいったいどうやって眠りについていたのか。


そんな当たり前にできていたことがわからなくなるほどに、


広瀬は緊張していた。



(まぁ…こんな日に落ち着いて寝られるわきゃね〜よ。)



悟りと同時に心は落ち着いた。



(明日……は……勝つ……)



そしてようやく眠りに就く。

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