《MUMEI》 ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア03…イズルとケンゴは幼稚園の頃からの幼馴染。 ケンゴはいつも同級生から太った容姿をバカにされ、いじめられていた。 そんな時に颯爽と登場し、 いつも助けに来てくれたのはイズルだった。 妙なハチマキを巻いて、当時流行ってたゲームを真似をしていたのだろう。 「よわいものいじめはやめろ!」 ヒーローのように登場して、バッタバッタと相手をやっつけて、最後は、 「オマエも、もっとつよくなれよ。」 と、吐き捨てて帰るイズルは、まさしくケンゴのヒーローだった… それから中学へ進学する時、 裕福な家庭に暮らすケンゴは私立中学へ進み、イズルと頻繁に会うことはなくなった。 イズルは、ごく普通の公立中学へ通い、ここ最近は不登校気味になっていた。 イズルは、ケンゴに対して弱音だけを吐く人間になってしまった。 甘えにも似た弱音。 ケンゴは闇の中で過去を見つめていたが 返す言葉を見つけられず目を開けた。 背中を丸めた人間が一匹。 同じ角度のまま、うなだれている。 前へ |次へ |
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