《MUMEI》 貴方ハ故郷好キデスカ?俺はあの日を生涯忘れることはないだろう・・・。 俺は目覚ましの音で目が覚めた。 「・・・・・眠ぃ・・・・」 俺は仕方なく体を起こし、カーテンを開けた。 窓の外は、とてもきれいな青空だった。 「すっげぇ晴れてんじゃん。 いつものとこでもいこうかな・・・?」 俺の名前は谷上春人(たにうえはると)。 現在高校2年生。 両親は俺がまだ幼かったころに離婚。 俺は父親に引き取られた。 しかしその父親は俺が中1のときに癌で亡くなった。 今は一人暮らし。でも生活費は親戚のおばちゃんに 払ってもらっているので苦労はしていない。 俺は朝食を終え、服を着替えた。 そして駐車場にとめてあった自転車にまたがる。 俺は勢いよくこぎだした。 馴れた砂利道や緩やかに見えて意外ときつい坂を上った。 しばらくすると、草むらが見えてきた。 俺はそこに自転車を止めた。 そして、獣道を進んでいった。奥へ奥へ進んでいくと 次第に見えてくるあの場所。 そこはこの町が見渡せる、野原の丘。 俺はここが大好きだ。なぜかって? ここから見る景色がきれいだからさ! 俺はその場に寝転んだ。 気持ちのいい風が吹き抜けていく。 俺は空を見つめていた。 そして、俺は衝撃的なものを見てしまう。 “空から人が降ってきた” 俺は何も言えなかった。その人は、 重力を感じさせないぐらいゆっくりと落ちてきた。 ・・・・いや、降りてきた。 それは女の子。俺と同じぐらいか、1.2歳ぐらい年下に見える。 彼女はそっと地面に足をついた。 俺が驚いて彼女を見ていると、彼女は話しかけてきた。 「こんにちは。私の名前は佐々峰神流(さざみねかんな)。」 いきなり自己紹介をしてきたので俺はかなり困った。 ・・・・・こういう場合は俺も言ったほうがいいんだよな・・・!? 「・・・・・。こ・・・こんにちは。 お・・・俺の名前は谷上春人・・・です。」 迷いに迷って喋ったらこんな話し方になっていた。 頭の中が真っ白の俺は知らない間にこんな事を聞いていた。 「なんでキミ・・・神流は空から落ちてきたの?」 「それは・・・・・・。」 彼女は少しの間黙ってから一言喋った。 「・・・・貴方は、故郷好きですか?」 俺は初めこの言葉の意味が理解できなかった。 しかし俺はすぐに理解することとなる。 そして彼女は続けて話しだした。 「私は・・・・・・・・」 次へ |
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