《MUMEI》
夢見る
★17


「大丈夫? ほら、思い切って水を吐いて。苦しいかもしれないけど……ほら、頑張って! 頑張って! 水を吐かなきゃダメだよ」

 ――あっ……また優しくて温かい唇が、あたしの唇に……

 不思議なことに、その唇から、『生きて! 生きて!』という、あたしを励ます叫び声が聴こえたの。

 ――あたしの唇を塞いでいる唇なのに……その状態で叫べるわけないのに……

 なんて考えている矢先、温かい唇はあたしの唇から離れてしまったの。




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