《MUMEI》
素晴らしい友情
次の日の朝
うーん
シェリィーに怒られないよね?
シェリィーをおいていってしまった自分
通学路を歩きながらわたしは悩んでいた
そしたら…
「ばぁー!!」
京ちゃんがわたしを驚かせたみたいですが
「……」
わたしはそれに気づかず京ちゃん独りポツンとボーとしていた
京ちゃんは我にかえったらしくわたしのところに走ってきて
「キー助、どったの?」
「京ちゃん――…」
お母さんに会いたいなぁ
わたしを売ったけど
やっぱり産んでくれた親だから
どんなに嫌われても好きなんだよね
「なんでもないよ」
小さな声で言ってしまった
もっと明るく言うつもりが――…
「んっもー そんなにさ、一緒にいた訳じゃないけど……私はずっと親友だと思ってたのにキー助は違うんだね!!」
キー助の目にはキラキラと光る涙がたまっていた
「なんにも言わないの!?もーいーもん!!キー助のばかぁ」
そして京ちゃんは走り逃げてしまった
でも怖いの…
京ちゃんに嫌われるのが
京ちゃんに嫌われてもシェリィーがいるからいいかもしれないけど
怖いの…
京ちゃんがわたしを差別する目を見たくないの
心に突き刺さる言葉を聞きたくないの
こんなにも大きな存在になっていた京ちゃん
それに今気づいたわたしは泣くことしかできなかった
ただ
震えるだけだった


「一時間目が終わったくらいかな?」
独り公園にいた
京ちゃんに会いたくなかった
涙がこぼれるから
バタバタ
なんの音?
バタバタバタ
ドンドン近づいてくる!?
思わず顔を埋めた
その足音はわたしの前で止まり、こんな一言を言った
「……キー助?」
この聞き覚えのある声は
ガバッ
「京ちゃん!!」
わたしは京ちゃんに抱きついていた
「バカッ!!私、すごい探したんだから!!事故にまきこまれたとか……」
探してくれたんだ…
「帰ろっ♪」
「……うん!!」
まだ話せないと思うけど絶対自分の口からちゃんと話すから
わたしの過去について
だから待ってて――…
「キー助!!」
「ハイ 何でしょう!?」
やな予感
「こんだけ走ったんだからアイスおごってよね」
的中!!
「京ちゃんにあげるアイスはないわ」
「ケチ……」
やはりわたしのために探してくれたんだしぃー
うーむ
京ちゃんにしてあげれることないかな?
そだっ
「勉強ならいいよ♪」
得意なのっていったら勉強しかありましぇーん
京香はなんと答えるのだろうか?
「Why?なぜわかったのだ!?私がバカなこと」
「京ちゃんバカなの?」
「うっ……」
「いーよ♪教えてあげる」
「ちょいムカッ!!」
こんな話をしながら私たちは学校に行った
先生に怒られ
反省文を書かされ
池田くんには
『北川お前意外と悪だな』
って言われたんですけどぉ〜
涙が出そうです
好きな人にそんなこと言われると
心臓を握られた感じになってしまい
お腹が痛くなりました
とんだ災難日でした

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