《MUMEI》
またまた劇やっちゃいまーす
「ギャー純くぅーん♪」
黄色い声援が聞こえる
そんな声を聞くとイラっとくる
あっ
昔と一緒みたい
わたしもあんなにイラっとくるような感じだったんだ
「紗香さん、今回はどんな話なんですか?」
今、私たちは教室で次の劇の内容について話しています
「んーと シェリィーさんに内容を考えてもらおうと思うの」
にへらぁ〜
かわいいぃ〜
顔がゆるんでかわゆい
「そうなんですかぁ〜 どんな話をするんだろ?」
ガバッ
「キャッ!」
急に京ちゃんが飛びついてきた
「バカッ 何やってんのよ!」
「だってねぇ 私だけ仲間はずれじゃん!悲しいもん…」
ちょっぴり涙目な京ちゃん
「だってしょうがないじゃない!!京ちゃんが違う部活なんだもん」
「わたし――…演劇なんてできるわけないじゃない!!棒読みだよ!!恥ずかしいもん」
「ショーがないわ♪京香ちゃん」
シェリィー――…
良かったあんたが来てなかったら京ちゃんに負けてたと思うわ
「くっシェリィーあんたは桃子同盟組んだのに――…」
むーっ
桃子同盟なんて恥ずかしいじゃない!!
バカバカ
「どっか行きなさい!!京香!!今大事な会議中なのよ」
会議中なのか?
そんなの京ちゃんすぐわかるよね
やだなぁ〜
ずっといるのかも
サイヤクサイヤク
「そうですね……ごめんなさい 戻ります」
えぇぇえ〜
京ちゃんバカだぁ〜
笑いが止まらん
バカなのだ京ちゃんは頭が悪かったのだ
「ぷっバイバイ」
笑いがほんま止まらんわ
だって京ちゃん頭が良いものと思ってたから
「あぁー!!友情の物語なんてどう?」
えぇぇえ〜
なんでこの状況でそんな物語が生まれたのだ?
ショーがないのだ
二人はバカだからな
ぷっ そうバカだから(笑)
「おもしろそーです♪シェリィーさん面白いお話を作りますね♪どんな内容ですの?」
「ん〜 ケンカもいっぱいしたりしたけど友情はこんな固いことを伝える劇なのですわ」
ふーん(-_-)
どーでも良いわ
変なやつはどっか行ったし――…
なにしよう
池田くんのこと考えよー
「主人公はもちろん桃子ちゃんよろしですわ」
えっ
ちょっとお待ちになって
「桃子さんなら安心です♪」
待ってくれないのね
わたしが頑張るしかないのね
「先輩……池田くんをまた劇に入れてもよろしくて?」
「池田くん!?」
うっ
やっちまったわぁ〜
でもあれっ?
シェリィーってわたしの好きな人知ってたっけ?
知らないかなっ?
テヘッ
わたしってバカだなぁ〜
シェリィーには教えてないんだった
桃衣のバカバカ
「池田くん――…ですか?もちろん良いですわよ♪」
なんで池田くんなのだ?
もしかして
バレたのかしら?
「京香ちゃんのリクエストですわ」
「京ちゃ〜ん!!」
お前かよ
お前だよな!!
今すぐこい
殴ってやるぅ〜
「どーかしましたか?」
「すいません 感情が高ぶってしまいまして…」
くっそ〜
「紗香さん!!じゃー池田くんで決定ですわね!?」
あっ
あっ
「オッケーですっ!!」
あっ――…
勝手に決まってるぅ〜
池田くんだって断るだろう
安心するんだ


「なに?劇に出てくれ?もちろんだよ」
あっ
また勝手に決まってるぅ〜
「桃子さん 劇の練習しましょう」
うっ
紗香さんのあの笑顔
やらなくちゃいけないじゃない!!

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