《MUMEI》
記憶なき小夜
ホントの自分に気づいて――…
ガバッ
湖――…であれ?
夢?
そんなわけないもん!!
今でも鮮明に思い出せる
私が――…
お母さんに聞いてみよっかな
なにか知ってそうだし
私はそう思いながら二階から一階に降りた
いや、早く知りたくて走っていた
「お母さん!!」
ちょっぴり疲れた
「なによ!?」
「なによってお母さん!!私…私じゃないみたい」
うっ
自分で言って落ち込むなんて、恥ずかしい
「どーしたの?」
ニコッ
そう言いながら私に笑いかけてくれた
だから
私はお母さんになにもかも話した


「思い出したの?」
予想もしてない返事にビックリした
「変な子とか思わないの?」
「もちろんよ♪私の愛する娘を変な子なんて思うわけないでしょ!!」
仁王立ちして私に言った
嬉しい――…
変な子と思われたら涙出てたよ
「ねぇ――…私は誰なの?」
あっ
口が勝手に――…
でも知りたかった…
ホントに私は藤谷 小夜なのか――…
「あなたは小夜よ――…」
「私は藤谷 小夜なんだよね?お母さんの娘だよね?」
私は必死だった
「――…もうだめなの?」えっ…?
「――…学校は?大丈夫なの?」
話は?
なかったことにするの?
「この話は帰ってからちゃんとするから!!」
「いいえ!!家に帰らないで――…」
えっ…?
「学校で待ってて、見せたいものがあるの…何も隠さないわ」
「ありがと――…」
私は剣を持ち、家を出た


ー五時間目ー
「体育ってだるいぃ〜」
「バスケだよ♪絶対勝つんだから!!」
ウフフ
バスケ バスケ楽しみぃ〜
「小夜ちゃんは運動神経良いからいいけどさ、私はねぇ無理なの★」
「鈴音大変だね(≧ε≦)」
「うっ 笑ったなぁ!!」

「疲れたぁ」
バスケの試合も終わり、授業も終わった
「はいタオル…」
おっ
気がきくぅ〜
「て言うかなんでそんなに運動神経いいの?小学校の運動会とかスゴかったでしょ?両親たち」
「小学校の運動会!?――…お父さん亡くなったし誰も来なかったよ♪」
「――…ごめん」
「謝ることないよぉ〜もう昔のことだし」
お父さん――…


「小夜ちゃんもう帰るの?」
帰ろうと思ったら鈴音に引き止められた
「お母さんとお話すんの!!」
「あぁーそっかぁ ちょっと寄り道しようかなって思ったのに――…」
鈴音の悲しそうな顔
でも
こっちの方が大事だもん
かわいい顔しても無駄なんだから!!
「バイバーイ」
はぁ はぁ
階段をかけ降り、校門までダッシュで走り出す
はぁ はぁ
あっお母さん!!
校門のところで待っているお母さんを発見した
「お母さん!!」
「――…小夜 じゃー行こっか」
歩き出すお母さんに私は――…
「どこに行くの?」
「秘密の場所 そこに行ってある映像を見たら全部わかるから」
ある映像――…
それが気になる
それを見たら疑問は全部消えるのかしら?
そんなことを思いながら私はお母さんについていった


ある映像――…
それは悲しい出来事を記している映像だった
そして私はこの映像一本を見ただけで人生が変わった――…

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