《MUMEI》
おとぎ話
「お母さん――…ごめんね……」
墓の前で泣く
「私がもっと強くなっていれば、お母さんは死なずにすんだのに…」
私は立ち、母に宣言をする
「絶対強くなって皆を守るから!!」
涙を拭き、私は歩き出す
安心して眠っていてね……


「久しぶりぃ〜」
いつも通りに鈴音が私に抱きついてきた
「……おーおはよう♪」
「もうっ!!なんで昨日もその前も来なかったのよ!!」
ちょっと起こりぎみに言ってんの!!
こっちはお母さんが――…
もう涙腺が弱くなってんじゃない
「かっ風邪ひいてしまって……」
何て言えないけどね
「それならいいけど……」
「…こんな時間!!早くいくよ!!」
私の声にビックリする鈴音
「うっ…うん」


「あぁダメね……絵なんて私、描けないわ…」
「えっ!?こんなの簡単じゃない!!」
美術の時間――…
スゴイ嫌いな時間(∋_∈)
「鈴音ぇ〜〜何も描けない!!なんか描けなんて先生もひどい〜〜」
鈴音に助けを求めるが――…
「うるさーい!!今、絵を描いてんの!!」
そりゃ 美術の時間だもん
「何描いてんの?」
見てみると顔が同じ双子がいた
赤い目をしている子青い目をしている子がいた
「最近ね、おとぎ話にはまってね♪チョーお気に入りのおとぎ話があってその話の主人公たちを描いたの♪」
違う世界に入ってる
「その話はね♪双子の妹の方がいつもちやほやされてるお姉ちゃんを憎んでお姉ちゃんを殺そうと思ったみたいなの……」
私と――…
私と未来みたい――…
いや、私と未来だわ
どーしておとぎ話に出てくるの?
「聞いてる?」
鈴音顔が怖いですよ♪
「聞いてるよぉ〜」
こう言ってないと殺される
「続きは?…」
それが知りたい!!
お姉ちゃんはどーしたの?
わかるかもしれないから
自分はどーしたら良いのかわかるかもしれないから
「続きは……ないの……本が破かれているの」
この先が知りたいのに
「でもその双子は人間じゃないみたいなの……」
ウソ……
やっぱり私と未来だわ
昔――…
何かあったのかもしれない
思い出せ
昔に何かあったのかもしれない
「どーしたの?」
目をつぶり考え出す
また映像が流れる
昔に戻る――…

『お姉様ぁ♪』
未来――…?
ドレスを着ている未来を見えた
私に笑いかけてくれる未来がいる
そういう時代なのかな?
次に見えた映像は
『お姉様なんか……嫌い!!』
泣きながら私に牙を向けるそんな未来が見えた
次に見えた映像は
『お姉様――…私、うらやましいです 姉様にみんなに行って……私、独りになりたくないんです!!』
泣きながら訴えてくる
そして私の声が聞こえてくる――…
『そんなつもりはないの……未来私は戦いなんてしたくないの…だからこんな場所から逃げよ♪』
私が未来を撫でる
そんなところを誰かが見てる


「はぁ…はぁ…」
ダメ――…
これ以上思い出したら
「…ごめ……ん…」
バタッ
私は倒れてしまった
「小夜!!」
鈴音の声が聞こえる
あぁ……
このまま死んでしまえばどんなに楽だろう

『戦いなさい……自分のために……皆のために…」

はっ
ここどこ?
「……保健室かな?」
何もかも白だし
「……私死なないよ♪犯人を殺すから……こんな風にしたやつを殺すから」
悪いのは未来じゃない
思い出せそうだった
きっと昔の私と未来を見ていたやつが犯人だ

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