《MUMEI》
始まりの場所
「……人を守る!!」
これで喜んでくれる?
「きゃっ……なにすん…の…」
七島が急にハンカチで私の口を押さえた
そして私は意識を失った


「ん……」
あれ?
私――…
車の中?
運転席に七島の姿が見えた
「……七島ぁ!!」
「なんだ……?」
普通にしている七島がいた
なんだじゃないだろ!!
「あんた!!どこに行くのよ!!」
ゴトン
車が揺れる
すごい道なんだろう
「……お前を見つけた場所だ」
見つけた場所――…
どんなとこなんだろ♪
「……着いたぞ…」
階段があり、私は一歩一歩歩いていた
階段を登り、石で出来た建物があった
ここが――…
理事長が私を見つけた場所
ここからなにもかも始まったんだ
「……ねぇ私はいつあんたに出会ったの?」
「…恵子がお前を育てはじめてからだ」
そうだったんだ――…
やっぱり出会ってたから覚えてたんだ
そんなことを考えていたら
ピリピリ
七島の携帯からだ
「…もしもし……はぁ!?なんだと!?」
だるそうだった顔は真剣な顔つきになっていた
私もその顔を見て予想は出来た
「……人を食らうものが出たから行くぞ!」
やっぱりね……
そして来た道を戻る
あれ?
「……剣がない」
「これか?」
運転しながら助手席にあったであろう剣を出してきた
「…ありがとう」
私は剣を受け取った
「……着いたぞ」
ついた場所は公園
霧がスゴくて前が見えない
それにしても銃持った人がいっぱいいる
それだけ危険なんだ
今から戦うのね
絶対勝つ!!
「小夜!!倒してくれ…」
七島の強い目
絶対勝つしかないじゃない
カラン
サヤから剣を出した音が公園全体に響き渡る
「…フゥー」
深呼吸をして目を閉じる
違う自分に変わる
「…出てこい!!」
「ワタシノコトカシラ?」
出てきたのは髪の長い女の人
こんな人が人を食らうもの?
「…ミクサマノメイレイデキタ」
未来様の命令ねぇ
私を殺すのね
上等じゃない!!
「イクワヨ♪」
合図と共に私に襲いかかってきた
すごい勢いだったのでよけてしまった
「コンナテジャカテナイワ……」
そういった瞬間
人を食らうものの手が鋭い刃物になった
そしてまた私に襲いかかってきた
私は避けるだけ何もできない
「………速すぎる」
どーしたらいい?

『集中しなさい』

目を閉じ、集中する
「アキラメタノ?ジャァコロシテアゲルワ」
人を食らうものが襲いかかってくる
人を食らうものが私を殺そうと自分の手を振りかざした瞬間
私は目を開け、人を食らうもののお腹めがけて剣を刺した
「……アッ…ウッ」
「小夜!!血で殺さなくてはまた再生する!!」
血で殺す――…
私は剣を抜き取り、剣の刃物のところに手を添え握りしめた
血がドロドロと出てくるのに全然痛みを感じなかった
そして
私の血がついた剣を人を食らうものに刺した
「……ワタシハオマエヲコロシテジユウニナルハズダッタノ……ニ」
私の血でどんどん固まっていった
「………小夜!!」
七島が駆け寄ってくれた
私はそれに安心しながらまた倒れてしまった

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