《MUMEI》
再会
★28


「まさか、サユリなの? ボクが助けた可愛い人魚姫のサユリなの?」

「え? あら? いやん!! 誰?!」

 あたし、寝惚けながら懐かしい声を聴いていたんだけど、無防備に眠るあたしの両肩を押さえつけるようにしながら話し掛ける男の子を跳ね退けちゃっていたの。

『ゴチン!!』

 きっと、あたしから跳ね退けられた勢いで、頭だか体だか判らなかったけれど、その男の子が勢い良く岩場にぶつけちゃった音だと思うの。

「痛い!! 何すんだよ、痛いじゃんか! なんて、どうでもイイや。サユリなの? 本当にサユリ?」




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