《MUMEI》 I thinkbooon……… 「…あ〜んなん投げれたんだね。」 「あ?」 「とぼけんな。 さっき村木に投げてたやつだよ。」 「…あぁ。」 「うわぁ…ムカつくリアクション。」 「何驚いてんだよ?当然だろ?的な?」 「んなこと言ってね〜だろ。」 ……………………………… 時は少し遡り、 花火を終えたクロたち。 クロ・ヤマト・恭介の3人はクロの自宅へと向かっていた。 美紀・理紗の2人がそれを追っていた。 ……………………………… 「原理自体は簡単だからな。」 「やっぱ打てて当然だと思ってんじゃん。」 ちなみにクロはバッチリ起きている為運転もクロである。 「クロだって打てんだろ。」 「…ま、ね。 手首だけで打ちゃいいだけだし。」 「そんな簡単なもんなの?」 「まぁ打つだけならな。」 「実用性は低いよ。 ボールを落とすことだけが目的ならそれこそステップシュートか7メートルくらいしか活用の場面はないね。」 「でも聖龍の45は打ってたじゃね〜か。」 「そりゃ場面によっては有効活用できるからね。」 「打つ奴が少ない分意表付けるしな。」 「んじゃやっぱ有効なんじゃね〜か。」 「案外物分かり悪いな恭介も。」 「あぁ?」 「ふぅっ……… 本来あの類のシュートはスピードを両立させないと有効活用はできねぇの。 だから小技大好き黒田くんは使わないわけ。」 「ほーほー。」 「じゃあ俺が使うかって言ったらそれも答えはNo。」 「何で?」 「シュートに力があんなら小技はいらない。」 「…なるほど。 じゃあ何であの45は使ってんだ?」 「知るか。」 「…」 会話が途切れた所でクロが考え込み、 そして口を開く。 「仮説だけどさ、」 「ん?」 「全国レベルになれば力だけじゃ通じないってことじゃないの?」 「あぁ?」 「なんだよそれ。」 「難しい話だけどさ、 僕たち…もちろんヤマも恭介も聖龍の選手に劣ってるとは思わないよ。 むしろ勝ってる部分のが多いだろうね。 けどさ、 聖龍の選手たちは全国を知っていて僕たちは知らない。 それは事実でしょ?」 「ん…」 「まぁ…な。」 「それが二ノ宮…そして桜井の強み。」 「………へぇ。」 「けどさ、だとしても海南のキーパーに打つ必要性はあったんかな?」 「既に全国を意識してるとか?」 「…なるほど。」 「あるいは…」 前へ |次へ |
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