《MUMEI》

「ねぇ小太郎?明日の予定ってどうなってんの?」



食卓を囲むクロたち。


赤高の一部選手たちが泊まっていたのも最近の話。


ここ数日食卓は静かに見せる気配がない。



「まず女子の三決。次が男子。んで女子決勝の後が僕たちの出番。」



「いいよなぁクロ。選手じゃないとはいえ決勝の舞台に立てんだから。」



「ふはははは。い〜だろ。」



単純にクロを羨ましがるヤマトと恭介。



「ちなみにだけどさ?
明日の勝ち筋は見えてるわけ?」



肉を頬張りながら恭介が尋ねる。



「ふん。誰に聞いてるんだい恭介くん。」



鼻で笑いそう言い放つクロ。



「おめ〜だよ。」



突っ込むヤマト。



「でも自信満々ってことは作戦があるんですね?」



尋ねる理紗。



「優。人参も食べなさい。」



「嫌だよ。不味いもん。」



「美味しいよ優ちゃん。」



「嫌だぁ。」



「い〜よ別に。人参以外の食い物で栄養補えばい〜じゃんよ。」



「クロ。また話逸れてる。」



「ん、あぁ。明日の作戦ね。」



「そうそう。」



野菜ジュースに手を伸ばすクロ。



ゴクゴクッ…



「ぷはぁ…優も飲んどけ。」



「あ〜い。」



上機嫌に野菜ジュースを飲む優。



「作戦!!」



「ないよ。」



「………は?」



場に沈黙が流れる。

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