《MUMEI》

「え…あの…クロ…
もしかしてさぁ?
今…ないって言った?」



沈黙を切り開いてヤマトが尋ねる。



「うん。言ったね。」



ご飯を食べながら淡々と話すクロ。



「じゃあ何で強気で話した?じゃあ何で強気で話した?」



「…2回も言うなよ。ちょっと強がってみたかっただけだよ。」



「お前…」



呆れ顔のヤマトと恭介。



「個人技は向こうが上。


スタミナも聖龍の練習量考えたらウチが勝てるとは考えずらいなぁ。


勝負に持ち込める土俵がイマイチわっかんないんだよねぇ。


村木がどんだけ抑えてくれるかがポイントかな。」



「…」



「じゃあ結局さぁ〜...」















………………………………



美紀がクロの言葉に軽く反応し、


明日についての話題は終わった。


夕食の間、


ヤマト・恭介の口数は減っていた。


クロは軽く言った言葉に対し、


自分たちであればいかに戦うかを脳裏に思い浮かべた。



………………………………














「あ〜美味しかった。」



「ご馳走様でしたぁ。」



「食器そのままにしておいて。」



「あ、いえッ!!手伝いますッ!!」



「あたしも手伝います。」



美紀と理紗が食器の片付けを手伝う中、


男陣は次の行動へと移る。



「さて…やりたいこともあるしさっさと風呂行こうか。」



「だな。タオル今日も借りてい〜の?」



「いいよ別に。
ここでダメとか言ったらどんだけ鬼だよ。」



「あッ!!待ってよ小太郎ッ!!」



「わかってるから。先に準備しとくって話。」



クロ宅にも当然風呂はあるが、


大人数でローテーションをすれば時間もかかり、


何より自分の彼女もいるクロからすれば、


全員で狭い風呂を交代に入るのはあまり気持ちのいいものではない。


クロたち5人はここ数日赤高付近にある銭湯を利用していた。

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