《MUMEI》 魔法とは便利なものだ。攻撃のみならず、治療にも使えるのか。 彼女は手のひらに集中しているようだ。目線がそう思わせる。この魔法は神経を削るらしい。 遠巻きに見ている群集がざわめく。話題はどうも彼では無さそうだ。 眺めていると、右腕にかざされていた手が引っ込められた。 腕から目線を上げ、彼女を見る。 もう片方も、とでも言いたげに睨まれる。 「早いなー。もう痛みも無いわ」 しかし先に顔を治して貰いたいので、そちらを突き出した。 いきなりの事に驚いたのか、思い切りビンタされた。火傷痕に当たり、その場に倒れ込む。 やらかした事に気付いた彼女は、仰向けになっている彼の顔に手をかざした。すまなさそうな表情をしている。 ある程度まで痛みが引いた所で、彼は起き上がった。 そうすると彼女は彼の左に回る。その腕にまた、しかめっ面をする。 丁度緑っぽい光が見えだした時、何かが近付いてきた。 前へ |次へ |
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