《MUMEI》 消滅カン と、乾いた金属音が響く。 上から下へ、零翁が月斬を振り下ろした。 それを龍桜は鬼姫で防ぐ。 「チッ。」 零翁は一歩下がり、再度、仕掛けた。 月斬が横に一閃。 だが、龍桜はそれを叩き落とす。 ガキィン という音が鳴った。 そのまま龍桜は前に進む。 龍桜の足が零翁の腹にめり込んだ。 「ぐっ、あ。」 「お返しだ。」 零翁の体が上へ吹っ飛んだ。 龍桜はそれを追う。 零翁は空中で一回転すると、月斬を龍桜に叩きつけた。 龍桜の体が勢い良く地面に突っ込む。 ドッゴーン 大きな音と共に地面に亀裂がはしった。 「貴様・・・。」 龍桜はよろよろと立ち上がる。 「まだやる?飽きねぇなー。」 零翁が龍桜へと向かう。 月斬が横に動く。 龍桜は鬼姫を右手で持ち、左手に小刀を持った。 小刀で月斬を受け止め、鬼姫を振る。 「くっ。」 鬼姫が零翁の右手をかすめた。 そこから、血が垂れる。 「・・・。そろそろ終わりだな。」 零翁はつぶやく。 「ああ。諦めろ。」 その時、キィィィィという鳥の鳴き声が響いた。 「なんだ?」 龍桜が辺りをみる。 それがいけなかった。 零翁が月斬を上に投げた。 そして、右手にチョークのようなものを持ち、空気中に何かを書いていく。 その絵が空気中に浮かぶ。 それを見た龍桜が慌てだした。 「貴様、それは封印の陣。まさか、私を月斬に封印する気か!?」 「バァーカ。そんなんじゃねーよ。」 零翁の体が光り出す。 「あばよ。別に俺は世界を変えられりゃー、なり振り構わないんでね。」 「まさか、自己封印か!?」 「流星に願いを!人よ変われ!世界よ変われ!我はそのためにここに在る!!」 零翁が光の粒となり、月斬に吸い込まれていった。 そして、どこから来たのか。、大きな鷹が月斬を口にくわえ、遠くの方へ飛んでいった。 呆然とその場に立ち尽くす龍桜と男達の目には月斬をくわえて飛んでいく鷹と、そのはるか向こうにある、流星群が映っていた。 前へ |次へ |
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