《MUMEI》 不思議な夢「遅れる〜。」 空希(そらき)光河(こうが)は自転車を走らせる。 目的地は居酒屋。 光河はそこでバイトをしているのだ。 居酒屋につき、職員用の駐輪場に自転車を止める。 店の中に入ると、何人かの人たちはもう準備を始めていた。 「空希君遅いよ。」 一人の少女がいう。 彼女の名は夕姫(ゆうき)桃架(ももか)。同級生で同じバイトをしている。 「ごめん。」 謝り、光河も準備を始める。 「空希、八番テーブルのお客様、お勘定。」 「はい!」 こうして瞬く間に時間は過ぎてゆく。 気がつけば、すでにバイト時間は終わっていた。 帰り道、光河は桃架と並んで歩いていた。 「んー、今日も終わった〜。」 「そうだね〜。はぁー、疲れたぁ〜。」 「ごめん、俺が遅れたせいで。」 「ううん。大丈夫。あっ、私、見たいテレビあったんだ!ごめん空希君。私行くね。」 「うん。おやすみ。」 「おやすみ〜。」 そう言って、桃架は去って行った。 「さてと、早く帰ろ。」 家につき、自分の部屋に入ると、光河は死んだようにベッドに倒れこんだ。 コンコン 「ん?」 窓が音をたてる。 それで光河は目を覚まし、カーテンを開けた。 しかし、そこには誰もいない。 光河は窓を開け、ベランダに出た。半月よりも少し大きい月が見える。 「何もない・・・。気のせいか・・・。」 「気のせいではありません。」 声が聞こえ、振り返ると、そこには巨大な鷹がいた。 「わぁっ!?」 「これは驚かせてしまって申し訳ない。私はあるお方の御命令でここに来ました。 「あるお方・・・?」 「ええ。あなたこそ、我々が探していた流星の者。」 「流星の・・・?」 「ええ。」 「あなたには我々を救っていただきます。」 「は?」 「もう時間です。満月の夜0:00にお迎えに上がります。」 そう言って、鷹は飛んで行った。 バッ 光河は飛び起きた。 「あ、あれ?夢か・・・。」 光河はまた、深い眠りに落ちた。 前へ |次へ |
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