《MUMEI》
瞳の中の真実
「リリリリリリリリ・・・・・」
僕の耳元で目覚ましが鳴っている。
「ううぅ・・・・。」
僕は唸りながらゆっくりと手を伸ばす。
そして、僕が目覚ましを止めると、
部屋は一気に静まり返った。
カーテンを開けると外は雨が降っていた。

最悪な一日の始まりだ・・・・・。

僕は朝ごはんを食べる。
そして時間になると家を出て行く。
家を出ると、怜と祐介が待っている。
これが僕の日課だ。
だが、今日は僕が少し早かったらしく、
外には誰もいなかった。
僕は一瞬“置いて行かれた”という言葉が頭をよぎった。
少し怖かったー。
“見捨てられたのでは”と、どうしても思ってしまう。

そんな時、向こうから怜が歩いてくるのが見えた。
僕はその瞬間、全身の力が抜けたと思ったくらい安心した。
しばらくすると、祐介も来て、僕たちは出発した。

しばらくすると、
「お前、昨日はどうだった??」
と祐介が聞いてきた。
「え?何が??」
「だから・・・お前昨日柚子ちゃんとデートしたんだろう?」
すると怜も話に入ってきた。
「そうだったなぁ!!どうだった??
 楽しかったか??」

“もうやめてくれ。僕にそんな話をしないでくれ!!
 そのことを、思い出させないでくれ!!!”
僕は心の中で叫んだ。

「あぁ・・・。た・・・楽しかったよ!!
 でもさ・・・ほら・・・僕ジェットコースター苦手だろ!?
 柚子に無理やり乗せられて・・・・
 死ぬほど酔ったんだよね・・・・・!」
とっさについた嘘。
もしかしたら、この時に嘘をついていなければ、
僕はあそこまで悩まなくても済んだかもしれない・・・・。

僕たちは笑いながら校門を通った。
いや・・・僕だけは笑えていなかったかな・・・?
あのときの僕は、いったいどんな表情だったのかな・・・?
上手く笑えていたのかな・・・・・?
それらすべての答えは僕らの瞳が知っているー。

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