《MUMEI》 お迎え今日は月末だけあって、居酒屋は大混雑だった。 「七番テーブルのお客様、お勘定。」 「はいっ!」 「八番テーブル、お通しして。」 「はいっ!」 今日は桃架はいない、代わりに・・・。 「何チンタラやってんのよ。」 と言った少女の名は涼梨(すずり)詩音(しおん)。 クラスは違うが、同学年だ。 「へいへい。」 適当に答え、六番テーブルに水を運ぶ。 二時間くらいすると、客にはアルコールがまわり、光河達は暇になった。 「あんた、いつになったらテキパキ仕事できんの?」 詩音が言う。 「悪い。俺のせいで、みんなに迷惑かけて・・・。。」 ここは素直に謝っておく。でないと後がうるさい。 「わ、分かればいいのよ。」 「なんだテメェ!」 いきなり、男の怒声が、店内に響いた。 見ると、二人の男がもみ合っている。 ケンカだ。 光河が立ち上がろうとすると、店長が手で制した。 前へ |
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