《MUMEI》

人混みを掻き分けて来た二人は、武装していた。どこから見ても自警団とか、その辺の警察的なポジションだ。

腰に提げている剣を引き抜き、切っ先を彼に向けた。

困った表情を浮かべ、彼女を見た。疲れているのか、顔色が悪い。

ふと目が合った。

ニコリと微笑んだ彼女は、その場に倒れ込む。

それを彼の仕業と見た警官は、大声を出した。怒っているのが分かった。

彼は弁明するが、通じないのでは効果が無い。むしろさらに不信感をかった。

もう一人も剣を引き抜き一言叫んだ後、彼に切りかかった。

突きつけられていた剣を掴み、それで防ぐ。手のひらに刃が埋まり、血が滴る。

すぐに離れ、後ろに下がる。だが壁に背中をぶつけた。

目線は逸らさない。しっかりと二人を視界に捉える。

「さて、第二ラウンドといこうか」

倒れている彼女を目に焼き付け、襲い来る二つの剣に挑む。

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