《MUMEI》










「………………もういいよ」

「何が」







千尋の言葉の意味がわからず、
真顔で聞き返す。













「もう一人で出来るし一人になりたいから帰ってもいいよって意味」

「それは勝手と言いませんか?」

「言いません」

「友達はいますか?」

「何、僕の周囲の人間関係調べて何するつもり?怖っ」

「どういった思考回路してんだ!あたしが言いたいのはそういった自己中心的な性格のせいで友達と呼べた人間はいるのか疑問に思っただけだ!」













少し声を張り上げながらそう言えば、さも興味なさげにあたしと視線を合わせ









「心配されなくても一般的な程度にはいるよ」
「いや心配はしてないからな、一ッ切」

「良かった。君に心配されてたらされてたで悪寒がする」








馬鹿にしたようにケラケラ嘲笑う

コイツはほんと人を腹立たせるのが上手い。奥底から嘲笑した顔に一回だけでもいいからローキックをかましたい


睨み付けてると

カタン、千尋がおもむろに立ち上がりパイプ椅子が小さく鳴った。

















「……………寝る、のか?」

「うん、寝るの 顔面にボールが当たって気分が悪くなったとか簡単な理由付けしてサボるよ



だから帰れ」













まっさらな布団に潜り込み顔を出さず手のひらであたしをシッシッと払いのける








さすがにこれには我慢しきれなかったので、あたしは何も言わずドアを勢いよく開けて出ていった。もちろん開けっ放し状態で








ムカつくムカつくムカつく

屋上から吊し上げてぇぇぇぇぇぇぇッ!












ドスドスと力士でも歩いてるのか疑いたくなる足音、花笑は苛立ちを露にしながら廊下を突き進んだ…。
















前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫