《MUMEI》

「おはーす」


「おはよう。」
びっくりした……。俺より早く七生が仕度を終えている。自転車で俺の家の前に立っていた。


昨日のことが嘘みたいだ。嘘だと信じたいです。



今日は席替えがある。七生が夏休みの小テストの平均値に到達したので教卓前から解放される日だ。





「よろしく〜」
七生の満面の笑みが真横にある。くじ運悪ィ!隣り合わせかよ!
男子の方が多いから確率はゼロとは言えませんが。



……落ち着かない。
七生が四六時中見ている気がする。

極力目を合わせないようにしていても真隣にいては視界に入る。


「東屋!部活今日はちゃんと出るから。」
昼休みと共に七生から離れる。露骨過ぎか?


「シゲ、ガム頂戴。」
俺と東屋の間に七生が割って入ってきた。

……お前も露骨過ぎだな!当然東屋はガムを持っていない訳で言われた方も意味が分からない顔になる。

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