《MUMEI》

左から真横に凪払う一振り。彼は屈んでやり過ごす。渾身だったのか、体勢を崩している。

左に飛び退く。さっきまで居た場所に剣が振り下ろされていた。

警官は体勢を整え、次の一撃を突き出す。

小さな動きで華麗にかわす。隙だらけになった胸元に拳をお見舞いする。

息が詰まるのが聞こえた。クリーンヒットしたのだろう。

続けざまにローキック。会心の一撃は相手に膝をつかせた。

間を置かずに振り返る。もう一人はすでに振り上げていた。

全力で体を後ろに倒す。勢い任せに後転し、距離を稼いだが、二撃目を仕掛けに来る。持ち直した剣は、立ち上がりかけの彼を狙っている。

顔を上げて相手を見る。すでに刃は迫っていた。

バックステップで避ける。かわしきれずに左下がりに胸を裂かれた。

三つ目は無いと判断したか、止まる。構え直して、再び先を向けられる。

弱らせたもう一人が立ち上がっていた。しかし歩きづらそうなのを見る限り、効果はあったようだ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫