《MUMEI》 左から真横に凪払う一振り。彼は屈んでやり過ごす。渾身だったのか、体勢を崩している。 左に飛び退く。さっきまで居た場所に剣が振り下ろされていた。 警官は体勢を整え、次の一撃を突き出す。 小さな動きで華麗にかわす。隙だらけになった胸元に拳をお見舞いする。 息が詰まるのが聞こえた。クリーンヒットしたのだろう。 続けざまにローキック。会心の一撃は相手に膝をつかせた。 間を置かずに振り返る。もう一人はすでに振り上げていた。 全力で体を後ろに倒す。勢い任せに後転し、距離を稼いだが、二撃目を仕掛けに来る。持ち直した剣は、立ち上がりかけの彼を狙っている。 顔を上げて相手を見る。すでに刃は迫っていた。 バックステップで避ける。かわしきれずに左下がりに胸を裂かれた。 三つ目は無いと判断したか、止まる。構え直して、再び先を向けられる。 弱らせたもう一人が立ち上がっていた。しかし歩きづらそうなのを見る限り、効果はあったようだ。 前へ |次へ |
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