《MUMEI》
リトリート・リトリート01
(ずいぶんテンションの高い先輩だな〜。襟章から察するに三年生だな。ひとつ上の先輩か…)


「何をジロジロ見てるんですか〜?」
「いや、別に…」

屋上でなびく風が先輩の学ランをチラチラとめくって、学ランの下が裸だということを教えてくれた。
出来れば知りたくなかった…

「あっ、やっぱり?見惚れていたんでしょ?この120点の顔をさ〜」

「………」

「ねえねえ、僕も見ていい?」

「…………」

「あーほらほら、今日もショウは120点ですよ〜。ねえ、キミもそう思うだろ?」

アンティークなのだろうか?
男が持つような鏡ではない、女でもキビしい位の鏡。アレをすんなり持っていいのはマリーアントワネットくらいだ。


(…ちょっとめんどくさい人に遭遇したっぽいな…)


「そうですね、120点です…」
「だよね〜僕、ショウ…三杉 ショウ。ヨロシクね!」

(…すごく突然に、自己紹介されたな…流れ的にはオレも言わなきゃなんだよな…)

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