《MUMEI》
リトリート・リトリート02
ヨロシクね!の後でウインクしたショウの顔は今夜の夢にも登場するんだろう。

「キミの名前はなんていうの?」

(…あ〜やっぱり聞かれてしまった〜関わりたくないな〜〜…)

「湯上谷 イズルです…」

聞こえて欲しくないから、小さなこえでワザと言う。


「ゆがみだに いずる。いい名前だね、僕には負けるけどね。ハハハ〜」

(うわ〜しっかり聞こえてしまった〜。耳すごくいいんだな…)

「今日から僕達、サボり友達ってワケね!」
「べつに、サボってたワケじゃ…!」
「まあまあ、いいじゃない。」

おもむろに、右手をあげながら指をパチンと鳴らす仕草を見せるショウ。
すると。



キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン…



「はい、コレ僕の特技なんだよね。どうだい?」

ちょっとカッコいいと思ってしまった自分がもどかしい。

「じゃあ、またね。イズルくん!」

颯爽と髪をなびかせながら、消えていった。残り香が女のようだった先輩。ウインクは欠かさずに残していった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫