《MUMEI》
どうしようもない想い
感情を捨てる――…

「…バイバイ♪」

鈴音――…

いや 人を食らうもの

人を食らうものは絶対殺さなくてはいけない

感情なんかに負けちゃいけない!!

あっ

鈴音の顔が近くなって来たな

そろそろ集中したくちゃ殺せない

目をつぶり、違う自分になる

目が赤くなってるのがすごくわかる

来たな――…

ビュ……

チッ

かすった

でもこいつの表面ちょっといや、ものすごく固すぎる

どうやって殺そうかしら?

「……私にはあなたを殺せない……」

「表面が固いだけじゃない!!」

競り合いをしながらしゃべっている

絶対負けない

負けなくない!!

いろんな人を食らうものを殺してきて表面が固いやつはいっぱいいたじゃない

私は――…

まだ競り合いは続く

間違いなく押されているのは私

もう一回体制を整えなければ

足にけりを入れ、その場を離れる

「……死ね…」

こっちを向き、睨む

――…来る!!

私に牙を向ける

私はそれをよける

そして

私は剣に血を流し、人を食らうものの手に剣を刺す

「あっ…私の手が……」

人を食らうものの手がどんどんと固まっていく

グッ

人を食らうものが手を引っ張り、手をもいだ

「…あっうっ……」

痛そう――…

血がダラダラ出てくる

「…覚えてなさい!!次は絶対勝つ……」

負けない……か

ポロポロ

「……なんで…」

なんで涙なんか……

悲しくなんかない!!

鈴音は敵だよ!?

私が倒さなくてはならない

お母さん――…

お母さんならどーする?


『…倒しない……』


また聞こえた――…

「…どこにいるの?まだ生きている……の…?」

バタッ

私はそう叫んだあと力尽きて倒れてしまった



あなたは誰ですか?

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